春雷

tmagri2006-03-28

午後から突然の雨で、天気予報があたったようなはずれたような天気だった。雷もなって、突風が吹いて、花冷えになった。
畑の地ごしらえは、ここんとこの晴天続きで順調だ。有機栽培になって4、5年以上たった畑は、土の状態が変わったなあーと一番よく実感できる場面だ。
山間の田んぼは「地が浅い」と言って、どんなに深く耕しても4−50㎝下は、粘土と石しかでてこない。しかも作土がもともと粘土質だから、水田の時は良いけど、畑にしたときは乾きにくくて非常に苦労する。
肥沃な土壌が、下の方まで深くなる(つまり作土が分厚くなる)ことは、うちのような山間の棚田では期待できない。変わったのは作土の状態。雨が降っても乾きやすく、しかも乾きすぎない。晴天続きで見た目は乾いているが、白いのは表面だけで、少し削るとちゃんと水分が保たれて黒々している。きつく握るとしっとりして、かつ団子にならずにぱらぱらとほぐれる。良いにおいもする。水田から畑にするときに、この違いが歴然とする。耕して畝立てするときの作業が、年々楽になっていく。これがわかったから、排水性イコール耕盤層(下の硬い粘土や石の層)の破壊ということも作土の深さも気にしなくなった。地の浅い田んぼは有機栽培すればいい。
なにか特別な肥料や作り方をしているのではない。資材には頼らない。土を変えるのは、他ならぬ作物の根と雑草の根、無数の土壌生物、昆虫、微生物の働きによるものだ。その営みの邪魔をしなければ良いだけの話である。そのバランスが難しいんだけれども。
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